本稿では、関節リウマチ(RA)に対する電位治療器の有効性について、基礎研究および二重盲検比較試験による臨床エビデンスをご報告します。本内容は、京都府立医科大学大学院医学研究科の内藤裕二氏により、電位治療シンポジウム2014(平成26年3月9日)にて発表されたデータに基づいています。
【背景】
関節リウマチの治療はバイオ製剤の登場により大きく進歩しましたが、依然として医師の治療満足度は低く、多くの患者が関節痛などを理由に相補代替医療(CAM)を高頻度で利用しているのが現状です。しかしながら、それらの有効性に関する臨床的エビデンスは乏しいという課題がありました。そこで、電位治療器の関節リウマチに対する有効性を検証するため、基礎研究および厳格な臨床試験が実施されました。
【1】基礎研究:疾患モデルマウスにおける炎症・関節破壊の抑制効果
Ⅱ型コラーゲン誘発関節炎モデルのマウスを用い、電位治療(12.7 KV、1日6時間)の効果を検証しました。
- 発症の遅延: 電位治療群は、コントロール群と比較してコラーゲン誘発関節炎の発症を有意に遅延させました。

- 関節破壊・炎症の抑制: 組織学的な所見において、電位治療は炎症および関節破壊を抑制することが確認されました。

- 炎症原因物質の発現抑制: 電位治療により、関節組織中における炎症を引き起こす主な原因物質(Interleukin-1β mRNA)の発現が抑制されました。


(出典:Naito Y et al. J Compl Integ Med 2009, 6: 30)
【2】臨床試験:二重盲検比較試験による疼痛軽減効果の実証
実際の関節リウマチ患者を対象に、最も科学的信頼性が高いとされる「無作為化二重盲検比較試験(プラセボ効果や観察者バイアスを防ぐため、医師・患者双方に治療介入群を不明にして行う試験)」を実施しました。
12週間にわたる治療の結果、以下の有効性が実証されました。
- 疾患活動性の有意な改善: リウマチの疾患活動性を評価する指標である「DAS28-CRPスコア」が、電位治療群において治療前と比較して有意に低下(改善)しました。
- 痛みの有意な軽減: 患者が感じる痛みの強さを示す「VASスコア」が、電位治療群で有意に低下しました。さらに、偽治療(Sham)群と比較しても有意な痛みの軽減効果が認められました。

(出典:Naito Y et al. J Clin Biochem Nutr 2013, 53:63-67)
【結論】関節痛の軽減とQOL(生活の質)の向上へ
関節リウマチ患者のQOL(生活の質)に影響を与える因子として、「痛み(VAS-pain)」は最も重要です。
基礎研究による炎症抑制の裏付けと、二重盲検比較試験による臨床データから、**「電位治療器による治療は、関節リウマチ患者の疼痛軽減に有用であり、患者QOLの改善に作用する」**と結論づけられています。
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